時間軸と元気度による「病気」の考え方

「がん診療」を考える上で、まず生物の自然史について、横軸を時間、縦軸を元気度で表した右下の様な図(図1)のようなモデルを理解することが重要です。
図1は、右に行くほど元気度が低下する。すなわち、年齢と共に元気がなくなる、機能が低下することを示しています。人間だけでなく、犬・猫をはじめ全ての生物は下記のような自然史をたどります。これは、「治らない病気」でもある「老化」というプロセスが生じるためです。

元気度は、ECOGのperformance status (PS) 等により定量評価することが可能です。図1中の横へひかれた青点線は、ECOG PS2と3の境目と考えてください (http://www.jcog.jp/doctor/tool/ps.html)。
ある程度の年齢に達し、機能低下が顕在化すると、活動性が低下します。例えば、今までほとんどの時間を外で過ごしていた人が家にいる時間が長くなってくる、等がこれにあたります。
その後、家でもほとんどの時間を座ってテレビを見ている、ゴロゴロして横になっている、等活動性はさらに低下します (図中「なんとなく元気がなくなる」と表現)。その結果、筋力が低下し (図中「筋力低下」と表現)、より外出するのに労力を要するため、活動性低下→筋力低下→活動性低下の悪循環に陥ります。
最終的に、食欲が低下し (図中では「食欲低下」と表現)、動くことが困難になるため「寝たきり」となります。我々は、この現象を「老衰」と呼んで理解します。

☆「治る」病気と「治らない」病気

「病気」は、「治る」病気と「治らない」病気に分けられます (当たり前のこと、と思われるかもしれませんが、治療方針の決定にあたってこの概念は大事だったりします)。
「治る」病気は、感染症、早期の固形癌や一部の血液腫瘍など。一方「治らない」病気は、転移を有する進行固形癌や慢性疾患、などがあげられます。外科医が「治る」病気の担当であるのに対し、内科医、中でも呼吸器内科医は「治らない」病気を担当することが多いです。

☆「治る」病気の考え方

先程の図1 を利用した場合、「治る」病気に罹患した方に対しては、治療によって「治す」ことで元気度の低下を抑制できます (図中の黒点線)。
このため、治療によって一時的に患者の元気度を低下させてしまっても、その後回復と共に元気度が戻る可能性があります。
外科手術、化学放射線療法、移植など「治癒」を目標とした治療は、概して侵襲度が高い。
このため、一定の治療による有害事象が存在しますが、それらのデメリットを踏まえた上でも、「治癒」のために全力で治療する。
かつて、咽頭癌に対して根治的化学放射線療法を施行した症例を担当した際には、治療に伴う粘膜炎で経口摂取が困難になるため、治療前に胃瘻を造設する。治療中には一時的に胃瘻を使用し、治療後に胃瘻を閉鎖する、等の経験をし、最初は衝撃を受けました。しかし、癌が寛解し、一定期間経過した後、元気になった経過を見た際には、「治癒」を考慮した治療はある程度の有害事象を許容した上で治療に臨む必要があるのだと、感じました。

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