医者の伝え方

☆初期研修医時代、地域の往診指導医から言われた言葉

「往診医から病院医者にお願いしたいこと。患者を地域へ送るとき、患者に病院ではもうやれることがないんですよ。とはっきりと伝えてあげてほしい」
当時は、「そんなひどい」と考え、うまく理解できませんでした。
また、実際に病院医者としてその立場となった後も、診断時からずっと診てきた患者さんを最後まで責任をもって診療していきたいという思いや、信頼関係が構築された中で「見捨てられた」と思われたくない心情があり、とてもつらく、中々この言葉に向き合えずにいました。
しかし、私自身が病院医者を11年間続けていく中で、この言葉を後輩に説明するようにしています (もちろん症例の背景や理解の状況に合わせてフレキシブルに変更していますが、そのようなスタンスである、ということです)。

なぜでしょうか。
患者さんからみた場合、病院にはこれまでの経過や思い出があります。
加えて設備も豊富ですぐに検査ができる。このため、安心感が強く、ただでさえ患者さんは病院を離れたくないという心情や地域へ帰ることの不安があります。
しかし前項でお話した通り、自宅で終末期を過ごしたいと希望する患者さんは多く存在し、地域へ帰ることの不安の裏に「何もできないのであれば自宅で過ごしたい」という希望を持っています。
このような意向の場合、病院医者はサポート体制を整えてあげた上で背中を押してあげることが重要だと考えるためです(あくまで地域での受け入れ体制を整えた上です。体制を整えずに送り出すと、また病院に入院という最も望ましくない結果となります)。

☆「癌」や「不安」ではなく「やりたいこと」に目をむけさせてあげる

自宅における緩和治療の質は、病院と変わりありません。
しかし、病院医者が前述のような説明をしないでいると、不安が希望を上回ってしまい、いつまでも病院を離れられない。すなわち、せっかく自宅に帰ってきても、「具合が悪いため病院へ行きたい」となってしまい、地域に戻ってこれず、結局、入院・退院・救急外来受診を繰り返しつづけるようになってしまいます。
「本当は帰りたいけど、不安で病院から離れられない」
このような患者さんを多く経験し、私のスタンスとして、自分の思いや評価ではなく、患者さんの希望を優先してあげること、を意識し診療してきました。
このため、苦渋の思いで前述のような説明をし、時に患者さんを傷つけてしまうこともあったと思います。しかし、それは最後に診て頂く (看取って頂く) かかりつけの往診医が自分にとっての一番の先生であってほしい、病院への思いを捨て地域でやりたいことに目を向けてほしい、という願いの裏返しでした。
何が「正解」かは分かりませんが、終末期の大切な時間に患者や家族の視点を「癌」から「自分達のやりたいこと」へと転換させてあげる。医学的ではありませんが、がん診療に携わる医者の重要な使命なのではないかと考えています。

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